投資には「王道」があります。それは、
自ら投資判断をし自らの責任で投資をすることです。

こうした“真の投資力”を身につけるためには
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「長く曲がりくねった道」を着実に進んで行くことが
唯一でかつ最も早い道程になります。

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NEW ポートフォリオ戦略実践講座:「株式相場は荒い値動きの中でファンダメンタルズへの回帰(正常化)に向かうか」 (2026/3/24公開)

   ー 株式相場は荒い値動きの中でファンダメンタルズへの回帰(正常化)に向かうか -

 今回は2月25日に配信した前回講座のフォロー版の位置づけとなります。前回はロシアのウクライナ侵略前からの期間を対象としてその背景と現況を検証しましたが、今回は対象期間を相場が安定期に入った2024年初から直近の3月23日までに絞り、近時の荒い値動きが続く不安定な相場状況についてより詳細に解説します。

株式相場は極端なリスクオン状況からやや修正の傾向
 日経平均は2月27日に史上最高値5万8,850円を付けた後、2,000円を超える大きな上下動をするなど波乱模様となっています。この背景には相場がファンダメンタルズを極端に上回ったことによる市場の不安定さ、リスクの増大があると言えます。
 下図は日経平均と株式市場のファンダメンタルズをベースとした日経平均に見合う水準を示す「基準相場」の推移を2024年初から2026年3月23日まで日次ベースで示したグラフです。

              日経平均と「基準相場」の推移(日次終値)
              ―2024年1月4日~2026年3月23日―

   

 紺色の線が日経平均、青線が「基準基準」です。
 図から、2024年初から2025年4月のトランプ関税ショックの直前まで日経平均は基準相場に沿った動きをしており、株式相場はファンダメンタルズに見合う安定した状態が続いています。
 2024年8月とトランプショックの急落のいずれのケースにおいても日経平均は直後に回復し基準相場に復帰していることからも相場形成の構造が安定していることがうかがわれます。
R> こうした相場の構造がトランプショックから急回復した2025年7月ごろから変わり始めました。日経平均は2025年4月の底値から2026年2月末の最高値まで1年足らずで2万7,714円、89%の急上昇となりました。この間、基準相場も業績をはじめとしたファンダメンタルズの堅調な上昇を反映して5,276円、14%とそれなりの上昇を見せましたが日経平均の上昇にはさすがに追いつかず、2月末の最高値時には日経平均は基準相場を1万6,800円、40%上回りました。
 この株式相場とファンダメンタルズとのかい離は異常と言え、相場は不安定領域に入らざるを得ない状況と言えます。

相場構造の異変解消は一筋縄ではいかない
 前回講座で、この相場急騰の根っこにはコロナ禍を契機とした世界的な金融緩和を背景とした膨大なマネーがあり、それにより投資家のリスク許容度が大幅に高まることでより高いリスクを取って高リターンを目指し、一方見込みがかなわなかった場合には大胆に撤退する結果、相場はわずかなきっかけでも大きな相場変動につながる、いわゆる「材料相場」の状態にあるとしました。

 当講座ではこうした相場の不安定さにつながる市場リスクの状況を「偏差値」に規準化することでわかり易く示す指数を「相場リスク指数」と称して開発、公開しています。
 前回講座で、同指数は70点以上を相場の上げ過ぎである「リスクオン」状態、30点以下を相場下げ過ぎの「リスクオフ」状態を示し、さらに80点を超える場合には極端な上げ過ぎ状態で反落が避けられない状況であることをご紹介しました。
 同講座では配信時の直近である2月20日に指数が80.9となっており、相場は反落の可能性が高いことを心しておくことをお勧めしました。

 下の図はこの「相場リスク指数」の2024年初から直近の2026年3月23日までの推移を示すグラフです。

               「相場リスク指数」の推移(日次終値)
               ―2024年1月4日~2026年3月23日―

   

 図から、日経平均が最高値を付けた2月27日の指数は85.1で極端なリスクオン状態であり、相場はその後急速な下げ局面となり直近の3月19日には69.2とリスクオン領域をわずかながら下回る水準になりました。
 こうした指数ベースの相場状況を日経平均の水準に見合う指標に変換して直接日経平均と比較できる形で示したのが以下の図です。

         日経平均と基準相場および変動の上側・下側と上限・下限の推移
              ―2024年1月4日~2026年3月23日―

   


 紺色の線が日経平均で青線が基準相場、緑線が「指数」の40点と60点に対応する日経平均の水準でこの範囲が日経平均の通常の変動範囲すなわち静観できる相場状況を示します。赤線が「指数」の30点と70点に対応する日経平均の水準でここから上側に外れればリスクオン、下側に外れればリスクオフとなる境界を示します。
 そして濃い赤線80点に対応する極端なリスクオンの境界を示します。図中の各指標の枠内にある値はそれぞれの境界の直近値、すなわち3月23日の水準です。

企業業績の改善が相場正常化への本道
 さて、図から直近の相場情勢を見ると日経平均は5万1,515円で極端なリスクオン境界の5万6,558円はもとより、リスクオン境界の5万1,853円もわずかながら下回りました。相場は極端な上げ過ぎという不安定な状態からは脱し、安定的な構造に向けて半歩足を踏み出した形です。
 しかし、このまま相場の形成構造が正常化に向かって真っすぐ進むと見ることはできません。

 と言うのは先ほど来述べているように、世界的なマネーの過剰を背景に市場の構造は基本的にリスクの高い「材料相場」の状況にあり、わずかな情報、例えば中東情勢に絡んだ原油価格の変動によって相場の様相は大きく変わる可能性が強いからです。
 ただ、株式相場の本源は変動を繰り返えしつつやがてはファンダメンタルズに戻ることです。この意味で現状では基本的な方向として相場は正常化に向かって落ち着く、すなわち、まずリスクオンの境界である5万1,800円台からさらに通常変動の上側である4万7,000 円台に向かう引力が働くことが考えられます。

 今後、(AIの活用などで)企業業績が画期的に(例えば5割)改善するなどでファンダメンタルズが大幅に上向き「基準相場」を始め上記の各指標が上昇シフトすることで日経平均に追いつく形で日経平均が正常な位置に収まることになれば、”やはり株価は景気の先行きを正しく示していたのだ”ということで「めでたし、めでたし」となります。
 これが相場の進むべき本道ですネ。




株式相場を構成する根っこにある動きを読み解くための各種の「基準相場」と「リスク回避指数」等の指標は、当講座の『相場の実相』で毎日無料で公開しています。お気軽にご参照ください。


*当講座についてのご意見、ご質問等ございましたら以下までご一報いただければ幸いです。
higurashi@iisbcam.co.jp



(*)ご注意
投資判断はご自身で行ってくださるようお願いいたします。
当講座は投資判断力を強化することを目的とした講座で投資推奨をするものではありません。
当講座を基に行った投資の結果について筆者及びインテリジェント・インフォメーション・サービスは責任を負いません。


講師:日暮昭
日本経済新聞社でデータベースに基づく証券分析サービスの開発に従事。ポートフォリオ分析システム、各種の日経株価指数、年金評価サービスの開発を担当。2004年~2006年武蔵大学非常勤講師。インテリジェント・インフォメーション・サービス代表。統計を駆使した客観的な投資判断のための分析を得意とする。

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