ポートフォリオ戦略実践講座:「不安定な相場の裏で着実に強化が進む株式市場の体力」を公開しました。  (2019/05/28公開)

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<『サイト学習コース』>
「投資の地力養成講座」の「ポートフォリオ戦略実践講座」
で新講座を公開しました。

ー 不安定な相場の裏で着実に強化が進む株式市場の体力 -

 日経平均は昨年10月に2万4,000円台の高値を付けた後12月に1万9,000円台まで5,000円余り急落、その後反転して4月に2万2,000円台まで戻しましたが連休明けに再び下落し2万1,000円台になるなど株式相場は不安定な動きが続いています。
 当然ながらこれまでも日経平均は大きな変動は経験していますが、そのほとんどは業績なり為替なりファンダメンタルズの変化に基づく変動でした。
 これらはファンダメンタルズに沿った動きという意味で市場の構造自体は安定していると見ることができ、一種の安心感があります。しかし、昨年末からの相場下落はこれまでにない規模でファンダメンタルズとかい離しており、市場のリスクが過去最大規模で高まっていることを示します。下図は日経平均とファンダメンタルズに見合う日経平均の水準を表す理論株価の推移を、リーマン・ショックの混乱がやや収まった2009年5月から直近の2019年5月までについて示すグラフです。

           ご参考:日経平均と理論株価の推移(月末値)
            ―2009.5~2019.5(2019年5月は24日終値)-

戦略201905AA

 紺色の線が日経平均、赤線が理論株価を示します。指標名の枠内の値は期初と期末の値です。
 ここで株式市場の”基礎体力”は着実に強まっている点が注目されます。株式の基礎体力は投資家にとっての企業の本源的価値を指します。これは企業の総資産のうち株主に帰属する部分、すなわち純資産(自己資本)が基盤となります。
 今回、株式市場全体の純資産として日経平均ベースの1株当たり純資産(BPS)を求めその推移を見ます。同時に純資産を増やす基である当期利益を同じく日経平均ベースの1株当たり利益(予想ベースのEPS(*))で捉え、併せて上図と同期間について示します。

 ご参考:日経平均ベースの1株当たり純資産(BPS)と予想EPSの推移(月末値)
            ―2009.5~2019.5(2019年5月は24日終値)-

戦略20190528B

 紺色の線がBPS、赤線が予想EPSを示し、指標名の枠内の値は期初と期末の値です。予想EPSは比較的大きく変動しながら上昇しており、BPSはこの予想EPSの成長を取り込み、積み重ねることで着実に上昇傾向を辿っていることが分かります。
 日経平均の動きと並べて見ると、短期的な変動は予想EPSと時間差を伴い(先行して)変動し、長期的にはBPSのトレンドに沿う傾向があることが見て取れます。
 株式相場は米中間の貿易摩擦の一層の深刻化、英国のEU離脱問題の先行きなどのリスクを抱え今後とも不安定な動きが続くと見られますが、株式市場の基礎体力はリーマン・ショック後の10年間で着実に強まっており、長期的には底堅い展開につながると見ることができそうです。

(*)1株当たり予想利益(予想EPS)の実際の求め方はこちらの「理論株価とは」をご覧ください。日経平均ベースの1株当たり純資産も予想EPSと同様に日経平均ベースの株価純資産倍率を基に求めることが出来ます。

詳しい内容は本講座をご覧下さい。

*ご注意:本講座は会員向けの「投資の地力養成講座」に収録されます。ご覧になるためには会員登録が必要となりますが、会員登録した当月中は無料で全ての情報、機能をご利用いただけます。お気軽にお試しください。(退会の手続きはトップページの「退会手続き」の窓から行えます)。

講師:日暮昭
日本経済新聞社でデータベースに基づく証券分析サービスの開発に従事。ポートフォリオ分析システム、各種の日経株価指数、年金評価サービスの開発を担当。2004年~2006年武蔵大学非常勤講師。インテリジェント・インフォメーション・サービス代表。統計を駆使した客観的な投資判断のための分析を得意とする。

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IIS
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