ユーチューブ公開のご案内(1):「個人投資家のためのポートフォリオ運用講座(第1回)」  (2023/03/27公開)

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  =====  「個人投資家のためのポートフォリオ運用講座(第1回)」  =====

               ≪ポートフォリオ運用こと始め≫ 

 「ポートフォリオ運用」と言うと一般には機関投資家による大規模なファンドを資産運用の専門家が実践する手法とみなされているようですが、その本質は“合理的な投資を追及する”ことです。
 こうした合理的な投資の利点を追求することは個人も積極的に見習うべきことが”合理的”でしょう。

 今回ご紹介する「個人投資家のためのポートフォリオ運用講座」はこのポートフォリオ運用の利点を個人投資家の方に理解し、実際の投資に活かしていただくことを目的とした講座です。
 講座はユーチューブで5回シリーズとして無料で公開されており、内容はポートフォリオ運用のそもそもの始まりから、ポートフォリオ運用がなぜ合理的な投資であるかの解説、そして個人の投資家が実際の投資に適用するに当たっての問題点とその具体的な対応を示します。

 今回の紹介は講座の第1回、「ポートフォリオ運用こと始め」です。

≪第1回:「ポートフォリオ運用こと始め」≫
 第1回講座は講座を構成する以下の4つの章の概説です。
 以下、各章のポイントの抄訳をご案内します。

        


「1-1 はじめに ―投資の王道― 」
 第1章はまず、何はともあれ投資の王道の基礎となる一丁目一番地としての投資の極意についてのお話しです。
 投資の極意は、資産の正しい価値を見つけ現在の価格がその価値を下回っていれば買い、上回っていれば売る、ということです。
 「当たり前だ!」 と怒られそうですが、これが投資が成功する原理・基本であることは事実です。
 もとより、“資産の正しい価値”を見つけるところが難しいところで、これまで様々な工夫が試みられてきているわけですが、ここでは資産の正しい価値が決まる原始の部分を以下の図をもとに示します。

        


 ここで、図のような10万円ずつ入っている2つの封筒、すなわちそのままお金を取り出せる封筒Aと1年に1万円ずつしか取り出せない仕掛けがしてある封筒Bの価値を求めます。
 詳細はユーチューブの本編を見ていただくとして、結論は封筒Aの現在の価値は10万円、封筒Bは今後10年間に渡って一定の収益をもたらす資産と見なせることで、その現在の価値は77,217円となります。したがって、今、封筒Bの値段が7万5,000円であれば買い、8万円であれば売ることで投資の極意を実践できることになります。
 なお、本編講座ではこの資産価値を決める考え方を株式投資に当てはめたケースを併せて示しています。

「1-2 ポートフォリオ運用、そもそもの始まり」
 この章ではポートフォリオ運用のそもそもの始まりについて述べるとともに、ポートフォリオ運用がそれまでの投資の仕方に比べてなぜ、またどこが画期的にすぐれているのかを見ます。
 株式投資に当たって、人はなるべく多くの要因を考慮しようとするものですが、ここで、すごいことを言った人が現れました。それは、「投資家は2つのことだけを考える」というものです。
 以下の図をご覧ください。

        


 時は1952年、米国シカゴ大学のハリー・マーコビッツという少壮の研究者が上梓した論文で唱えたもので、2つのことというのは、

1.なるべく多くもうけたい。
2.なるべく損をしたくない。

というものです。なるほど、このこと自体はもっともなことですね。

 マーコビッツがエライところは、この”なるべく多くもうけたい”を「リターンをより高く」、”なるべく損をしたくない”を「リスクをより低く」という概念に置き換え、かつそれらを数値的に捉えたことです。
 このことの延長線上にポートフォリオ運用があり、その後、ポートフォリオを組むことによる合理的で有利な投資手法が次々に展開され、積み上げられてきました。これらは「ポートフォリオ理論」として総称され、現在では資産運用の基本として定着しています。
 マーコビッツはこうした大きな流れの源流を印した人物として、その功績によって1990年にノーベル経済学賞を受賞しました。

「1-3 “フリーランチ”はない」
 次の章はすべての投資において絶対に冒すことのできない大原則について述べます。
 それは「フリーランチはない」という金言で示されます。おいしいランチには必ずそれに見合う代金が必要なのと同様、投資において高いリターンには必ずそれに見合う高いリスクが伴う、ということです。下の図をご覧ください。

         


 上の図のグラフは横軸にリスク、縦軸にリターンを取ったもので資産のリスクとリターンの関係がひと目で同時に分かる簡単ながら強力なグラフです。
 左側のグラフは、今、A、Bという2つの資産があり、どちらもリターンは等しく、一方、リスクは資産Aの方が高い場合のAとBのリスクとリターンの位置を示したものです。
 詳細はユーチューブの本編に譲りますが、結果的に、投資家はリスクをなるべく避ける、という投資の原理にしたがうことで、リスクの高いA資産のリターンは高まり、資産Bのリターンは低まることで、両者は右側のグラフで示される右肩上がりの位置関係、すなわち高いリターンには高いリスクが対応するという、”フリーランチはない”関係となります。

「1-4 ポートフォリオ運用のエッセンス」
 最後の第4章が第1回講座の肝となります。ポートフォリオ運用が合理的で有利な投資であることを明らかにする準備の仕上げとなります。下図をご覧ください。

        


 第3章で見た、フリーランチはないは全ての投資における大前提ですから、まずこのことを土台とします。そして、この土台の上に冒頭に述べた、(1)投資の良し悪し(パフォーマンス)はリスクとリターンの2つの要因で決まる、そして普遍的な事実としての(2)何事であれ分散することによってリスクは低減するーーという2つの要素を組み上げることでポートフォリオ運用が有利な投資であることのバックグラウンドが完成されます。第2回講座は、これらを基にポートフォリオ運用がなぜ有利な投資手法となるかを明らかにすることがメインテーマです。
 第4章の詳しい内容は本講座を参照いただきたく、ここでのご紹介はここまでといたします。
 

ここでご紹介したユーチューブの本編講座はこちらでご覧いただけます。

*お問い合わせは以下のアドレスまでご一報お願いいたします。
アドレス:info@iisbcam.co.jp

「ポートフォリオ運用講座」担当:日暮昭
日本経済新聞社で日経500平均、業種別日経平均等各種の株価指数、およびポートフォリオ分析サービスを開発、また、マクロ経済モデルの推計、経済予測を担当。2004年~2006年武蔵大学非常勤講師。
2006年から個人を対象とした投資学習サイト、「資産運用のブティック街」を運営。

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