F.マネージャーの視点/銘柄選定とその背景:「BPSアプローチ銘柄の変身に注目:富士フィルム、そして花王」を公開しました。  (2022/01/05公開)

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<『応用編・講座』>
「応用編・講座」の「F.マネージャーの視点/銘柄選定とその背景」で新講座を公開しました。

ー BPSアプローチ銘柄の変身に注目:富士フィルム、そして花王 -

 2021年は個々の銘柄の動きについて株価形成の内容が変化したと思われる銘柄が多くあったように思えます。BPS(1株当たり純資産)の絶対値を下値目処として株価を形成してきた銘柄がPER(株価収益率)を基準に買われる銘柄への変身です。典型的な例として富士フイルムが挙げられます。
 当社は外国人好みの国際優良株ですが、これまで、一般的人気はあっても積極的に買い上げるようなストーリーに乏しい銘柄としての評価が定着していたようです。
 下図は株価とBPSの推移を併せて示したグラフです。株価が1株当たり純資産と等しいレベル、すなわちPBR(株価純資産倍率)=1を挟んだ軌跡を示しています。
 2009年~2012年の間は株価はBPS以下まで売られました。その後、収益は回復軌道に乗りEPS(1株当たり純利益)は200円台から300円台になったのにもかかわらず、株価はPBR“1”の水準に留まっています。それが2021年に株価は5000円弱から一時はPBR”2”の10000円を付けるまでに急上昇しました。その後若干の調整が入り8000円~9000円を行き来しておりますが、富士フイルムに10年ぶりに生じた株価形成の内容変化です。


      富士フィルム:株価と1株当たり純資産(BPS)の推移
            ー2009年12月~2021年11月ー

   

 個々の会社が将来へ向けての大変革ともいえる戦略的改革に積極的に取り組み、この取り組みが投資家の当社観を変えるならば株価に対する見方にもそれが反映されます。富士フィルムがこのケースです。
 当社は2021頃に銀塩フイルムがデジタル化されるという技術革新に遭遇したことで存亡の危機に直面しました。世界NO1メーカーである米国のコダック社は2012年に倒産しました。富士フイルムは既存のビジネスモデルを脱却、磁気テープ、電子デバイス、ヘルスケア関連商品(薬品、ME機器)等の分野へ進出です。

 外国人投資家の出遅れ日本株の買いが進んだ2021年、富士フイルムに日の目が当たることになりました。電子デバイス、あるいはME機器を含めたヘルケア商品を手掛ける事業会社PER(株価収益率)は結構高く買われている場合があります。
 ヘルスケア会社の花王、ME機器のオリンパス、テルモ等がその典型です。富士フィルムはPBRアプローチから離れPERでアプローチする領域に入ったものと考えるのが妥当でしょう。
 こうした例として、洗剤会社とのイメージが強かった花王が鐘紡の化粧品を譲り受けヘルスケア会社とのイメージをより前面に出しケースがあります。株価は2012年から新たな株価形成要因にそった軌跡が始まりました。


          花王:株価と1株当たり純資産(BPS)の推移
             ー2009年12月~2021年11月ー

   


 今回の富士フイルム株価の変身はこうした株価の動きも参考にされたと思われます。



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講師:若林利明
外資系機関投資家を中心に日本株のファンドマネージャーを歴任。NPO法人日本個人投資家協会協議会委員。世界の株式市場における東京市場の位置づけ、そこで大きな影響力を行使する外国人投資家の投資動向に精通する。著書:「資産運用のセンスのみがき方」など。

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