ポートフォリオ戦略実践講座:「業績の急回復でリスクは正常レベルへ:相場の過熱感は解消」を公開しました。  (2021/05/26公開)

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<応用編・講座>
「ポートフォリオ戦略実践講座」
で新講座を公開しました。

ー 業績の急回復でリスクは正常レベルへ:相場の過熱感は解消 -

 前3月期の決算と今期の業績予想の発表がピークを過ぎる中で、メディアはあまり大きく取り上げていませんが今期の予想業績史上最高の水準に達しています。
 業績の急回復によって日経平均の理論値である「理論株価」は急上昇する一方で、日経平均は3万円を超えたところでさすがに小反落となったことで両者は急接近しています。
 下図は日経平均と理論株価の月末値を2002年5月から直近の2021年5月まで示したグラフです。5月は21日の終値です。

              日経平均、理論株価の月末値の推移
             ―2002年5月~2021年5月(21日)―

   

 この19年の間に株式市場は3回の大きな変動がありましたが、そのうち、リーマン・ショックとBREXITでは日経平均すなわち株式相場の急落と回復が、理論株価すなちファンダメンタルズの急落と回復とパラレルに連動していることから、相場はファンダメンタルズの変化に忠実に反応したという意味で正当な相場変動と言えます。
 ところが今回のコロナ・ショックでは日経平均と理論株価は一時極端にかい離し、相場は根拠のない頼りない動きで、株式市場は構造的に変調を来したかとも見えましたが、業績の急回復によって直近の5月21日には日経平均の2万8317円に対し理論株価が2万5719円と差は約2600円まで縮まり、相場はファンダメンタルズに戻ったようです。
 こうしたファンダメンタルズと相場の関係は市場の投資リスクの面から見ることでより明快に捉えることができます。

 下図は市場の投資リスクの大きさを示す「リスク回避指数」(以下「指数」)の推移を2018年初から直近の2021年5月21日まで日次ベースで示したグラフです。

                リスク回避指数の日次推移
             ―2018年1月4日~2021年5月21日―

   

 「指数」50点であれば市場リスクは大きくも小さくもない完全に中立の状態を、40点から60点の間は通常のリスク変動の領域で、30点以下はリスクが明らかに低く投資家はファンダメンタルズに関係なくリスクを選好して株式投資に走ることで相場が過熱状態となる「リスクオン」の領域となります。逆に70点以上に高まった場合は投資家が一斉にリスクを避けることでファンダメンタルズに関係なく株式を売ることで相場は下落する「リスクオフ」の領域になります。

 図から「指数」は今年の3月まで相場がファンダメンタルズを無視した形で高値圏にあったことで相場は極端なリスクオンの状態でしたが、直近では47点台とほぼ中立状態に戻っています。市場はファンダメンタルズに基づく正常な状況にあり過熱感は解消、すなわち相場の急落懸念は薄らいだと言えます。
 今後も相場が急落、急騰する不安定な動きはあるかもしれませんが、ファンダメンタルズという地に足のついた変動という信頼感から相場は明るさを増すと期待できそうです。

*詳しい内容は本講座をご覧下さい。

*ご注意:本講座は会員向けの「応用編・講座」に収録されます。ご覧になるためには会員登録が必要となりますが、会員登録した当月中は無料で全ての情報、機能をご利用いただけます。お気軽にお試しください。(退会の手続きはトップページの「退会手続き」の窓から行えます)。

講師:日暮昭
日本経済新聞社でデータベースに基づく証券分析サービスの開発に従事。ポートフォリオ分析システム、各種の日経株価指数、年金評価サービスの開発を担当。2004年~2006年武蔵大学非常勤講師。インテリジェント・インフォメーション・サービス代表。統計を駆使した客観的な投資判断のための分析を得意とする。

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IIS
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