ポートフォリオ戦略実践講座:「相場波乱を経て市場リスクは正常領域に向かう」を公開しました。  (2021/04/28公開)

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<応用編・講座>
「ポートフォリオ戦略実践講座」
で新講座を公開しました。

ー 相場波乱を経て市場リスクは正常領域に向かう -

 昨年来の株式相場はコロナ禍という突然の嵐に襲われ大波にもまれた小舟の感があります。大波をかぶって急落した直後にそのまま上昇気流に乗って一気に30年振りの高値まで駆け上がりました。
 一方で相場形成の基本条件であるファンダメンタルズは相場の急落後も低迷を続け、結果として株式相場との間に大きなかい離が生じています。

 下図は日経平均とファンダメンタルズに見合う日経平均の水準を示す理論株価の推移を、コロナ以前の3年前までさかのぼって、2018年初から直近の2021年4月23日まで日次ベースでの推移を示したグラフです。
 
              日経平均と理論株価の推移(日次終値)
              ―2018年1月4日~2021年4月23日―

   

 紺色の線が日経平均、赤線が理論株価です。
 直近時点では日経平均と理論株価の差は9,700円に達しています。このように株式相場がファンダメンタルズを大幅に上回る状態は、投資家がそろって強気になってリスクをとってハイリターンを目指す「リスクオン」の状態にあると言います。逆に相場がファンダメンタルズを大きく下回る状態は投資家が一斉にリスクを避けた結果であることから「リスクオフ」の状態にあると言います。どちらも相場形成の基盤が不安定で先行きを読みにくい難しい相場状況と言えます。

 当サイトではこうした不安定な相場の状態を把握する手段として、リスクオンとリスクオフの状況を具体的に数値で捉える指標、「リスク回避指数」(以下、「指数」)を開発し、毎日公表しています。
 「指数」は難関学校への入学の難易度を示す指標としても馴染みの深い「偏差値」で求め、値が大きいほどリスクオフの傾向を、値が小さいほどリスクオン傾向にあることを示します。
 具体的には、50点を中立のリスクとして、50点を挟んだ40点と60点の間にあれば市場リスクは取り立てて高くも低くもない通常の市場リスクの変動の範囲とし、70点を超える場合はリスクオフ、逆に30点以下の場合はリスクオンの状態とします。
 下図は「指数」リスクン、リスクオフの基準値を併せて示したグラフです。

             「リスク回避指数」の推移(日次終値)
            ―2018年1月4日~2021年4月23日―

   

 この3年間の動きをみると、「指数」はコロナ禍が表面化する2020年2月までは通常リスクの範囲で推移しており、3月からにわかに乱高下し始めて相場が波乱局面に入ったことを示しています。
 3月19日にいったん「指数」はリスクオフの領域に近づき、そこから一歩遅れてファンダメンタルズの低落に伴ってリスクオンへの傾向が強まります。株式相場が年末から年初にかけて上昇の勢いを増したことによって「指数」は本格的に低下、相場が高値を付ける本年初めには異常状態ともいえる10点台にまで達しています。
 これは、相場がいかにも不安定な高値であることを示唆していますが、その後、この極端なリスクオン状態から通常のリスクオン状態に向かっており、相場は落ち着きつつあることを示しています。これは業績がジワリと回復しているためです。
 下図はファンダメンタルズ要因としての日経平均ベースの予想1株当たり利益(以下、予想EPS)米ドルレートの推移を示したグラフです。

             予想EPSと米ドルレートの推移(日次終値)
              ―2018年1月4日~2021年4月23日―

   

 紺色の線が予想EPSで左目盛、赤線が米ドルで右目盛です。米ドルは102円から114円までの比較的安定した範囲に収まっているのに対して予想EPSは68円から219円まで大幅に触れており、理論株価の変動は主に業績予想の変動によってもたらされていることが分かります。
 業績予想は本年2月から徐々に上昇しており、今期(2022年3月期)の業績が大幅な増益となる見方もあることで、市場リスクはさらに上昇し正常リスクの領域に向かう可能性が強そうです。
 市場リスクが正常状態に戻れば、市場に健全さが戻り先行きの不透明感が薄れることで力強さが増すことが期待されます。

 今期の業績予想が出そろう5月時点で市場リスクの状況がどうなるか、結果が待たれます。なお、業績予想のレベルによって日経平均がどの程度の水準になるかについては3月23日付けの本講座でシナリオ分析を行っておりますのでご一覧いただければと思います。


当講座に関するお問い合わせは以下までご一報いただければ折り返しご返信いたします。
<info@iisbcam.co.jp>

詳しい内容は本講座をご覧下さい。

*ご注意:本講座は会員向けの「応用編・講座」に収録されます。ご覧になるためには会員登録が必要となりますが、会員登録した当月中は無料で全ての情報、機能をご利用いただけます。お気軽にお試しください。(退会の手続きはトップページの「退会手続き」の窓から行えます)。

講師:日暮昭
日本経済新聞社でデータベースに基づく証券分析サービスの開発に従事。ポートフォリオ分析システム、各種の日経株価指数、年金評価サービスの開発を担当。2004年~2006年武蔵大学非常勤講師。インテリジェント・インフォメーション・サービス代表。統計を駆使した客観的な投資判断のための分析を得意とする。

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IIS
(有)インテリジェント・インフォメーション・サービス

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