NEW ポートフォリオ戦略実践講座:「不透明な相場環境の中、マクロの視点に目を転じると:高値相場を支える?海外所得の底堅さ」を公開しました。  (2020/08/26公開)


<応用編・講座>
「ポートフォリオ戦略実践講座」
で新講座を公開しました。

ー 不透明な相場環境の中、マクロの視点に目を転じると:高値相場を陰で支える?海外所得の底堅さ -

 コロナ禍の深刻化が進み相場環境の不透明感が一段と増す中、視点を広げてマクロの視点から日本経済全体の動向を見てみました。
 2020年第2四半期(4-6月)の実質GDPの成長率は年率で27.8%という戦後最大のマイナスとなりました。ただ、ここでは実質GDPではなく実際の経済規模を表す名目ベースのGDPを対象とします。合わせて、少子高齢化が着実に進む日本で今後、生活の豊かさに直結する所得の動向が大事になることから、以下で名目GDPと ”国“としての総所得を示す国民総所得(Gross National Income、GNI)の動きに注目します。
 下の図は名目GDPとGNIについて1994年第1期から直近の2020年第2期までの季節調整・年率換算値を四半期ベースで示したグラフです。

       名目GDPと名目GNIの推移(兆円、四半期、季節調整・年率換算値)
            ―1994年/1-3月期~2020年/4-6月期―

   


 図から、GNIは1994年当初から一貫してGDPを上回っており国民ベースの所得が継続的に国内生産の規模(付加価値)を上回っていることが分かります。また、この差は徐々に広がっており、2004年以降は年率で10兆円を超え、2015年からは年率でほぼ20兆円前後に拡大しています。
 急落した直近の2020年第2期では、GDPは506兆円とほぼ期初の水準と“往って来い”となったのに対してGNIは524兆円でGDPを16兆円上回り、期初からは20兆円、4%増加となっています。

 こうしたGNIとGDPの差は海外からの所得によってもたらされますが、統計としては国際収支統計の中の「第1次所得収支」で示されます。
 下図は国際収支の主要項目である経常収支と貿易収支、第1次所得収支、そしてサービス収支について1996年第1期から直近の2020年第2期まで四半期ベースで季節調整値を示したグラフです。

        国際収支主要4項目の推移(億円、四半期ベース、季節調整値)
              ―1996年第1期~2020年第2期―

   

 
 貿易収支は主に原油・LNGの価格と為替の変動によって大きく振れ、それに伴って経常収支も不安定な動きが避けられません。それに対して第1次所得収支は安定的に増加傾向を継続しています。これは企業がこれまで行ってきた海外直接投資の成果である配当等の所得によるもので、近時でもセブン&アイによる米国企業に対する巨額買収など積極的な海外直接投資が継続されていることから第1次所得収支は今後とも堅調に推移するものと見られます。

 下図は日経平均とファンダメンタルズを表す理論株価について、コロナ禍による相場波乱を含む2020年初から直近の8月21日までの推移を示したグラフです。

                日経平均と理論株価の推移
            ―2020年1月6日~2020年8月21日―

   



 株式相場(日経平均)は近時、業績の不振を映したファンダメンタルズ(理論株価)の低迷と裏腹に年初の水準に近い高値圏で推移しています。
 こうした大きな格差はリーマン・ショック時にも見られましたが、それは市場が先行き業績の回復を正しく先取りすることで相場がいち早く妥当な水準に達していたと説明されます(前回当講座の「臨時増刊」を参照)。
 そして、今回はこうした市場の“積極的(あるいは楽観的)な見方“国民総所得の底堅い増加基調が支えているよも言えそうです。


*各グラフに沿ったより詳しい解説は本講座をご覧下さい。

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講師:日暮昭
日本経済新聞社でデータベースに基づく証券分析サービスの開発に従事。ポートフォリオ分析システム、各種の日経株価指数、年金評価サービスの開発を担当。2004年~2006年武蔵大学非常勤講師。インテリジェント・インフォメーション・サービス代表。統計を駆使した客観的な投資判断のための分析を得意とする。

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