ポートフォリオ戦略実践講座:「リスクと業績のせめぎ合いでリスクオフの境界を行き来する株式市場」を公開しました。  (2019/08/28公開)

<『サイト学習コース』>
「投資の地力養成講座」の「ポートフォリオ戦略実践講座」
で新講座を公開しました。

ー リスクと業績のせめぎ合いでリスクオフの境界を行き来する株式市場 -

 株式相場は相変わらず不安定な状況が続いています。悪材料には敏感に反応して急落する一方、その後の回復は緩やか、といった具合でトータルとして下落幅が勝る結果、水準を切り下げる状況となっています。
 こうした状況の背景には市場リスクが高止まりする中で、ここにきて新たなリスク要因が顕在化している事情があります。現下の目を離せないリスクの要素として以下の4つが挙げられます。

1.米中間の貿易摩擦
米国と中国の貿易摩擦問題は間違いなく世界経済に対する最大のリスク要因と言えます。ここにきて米国が対中国関税を30%へ引き上げ、それに対して中国が報復措置を用意するなど対立は激化の様相を見せています。今後とも最大の相場変動要因となりそうです。
2.英国のEU離脱問題
英国はジョンソン首相の誕生によって10月末の期限までに合意できずEUからの合意無き強制離脱という最悪のシナリオがジワリと現実味を増しています。強制離脱の結果、先行きがどうなるのか現時点で全く見えないという不確実性の意味で大きなリスクを抱え込んでいると言えます。
3.対イラン制裁と中東の緊張
ホルムズ海峡におけるタンカーの襲撃や拿捕事件によって改めてホルムズ海峡の安全航行に注目が集まり、トランプ大統領は受益者が相応の負担をすべきということで有志連合の結成を打ち上げました。対イラン制裁から中東の緊張の火種が一つ増えた形です。
4.日韓の主張のズレから経済、安保問題に飛び火
徴用工問題は日本と韓国の間で国としての主張がかみあわず解決が見えない悩ましい問題であったところ、そこから貿易という経済面の問題へ広がり、さらに韓国が突然GSOMIAの破棄を決めたことで安全保障に絡む事態に及んできました。北朝鮮はこの時とばかりに巨大ロケット砲と見られる発射実験を行い、地政学的リスクを含め環境は一段と悪化しています。

 一方で、このように最悪とも言える状況の割には株式相場は底なしの下落といった事態にはなっていません。裏には日銀、またGPIFの”助太刀買い”があるという見方もあるようですが、より基本的には日本経済の底堅さ、堅調な業績の推移があると見られます。

    ご参考:日経平均、理論株価と通常変動の上側と下側、および変動の下限の推移
                  ―2018.8.1~2019.8.26―

戦略201908AA

 当サイトでは業績を中心としたファンダメンタルズに基づく日経平均の妥当な水準を「理論株価」として算出しており、この理論株価と実際の株式相場、すなわち日経平均とのかい離をもとに市場が受け止めるリスクの大きさを「リスク回避指数」として数値で示しています。
 当指数はリスクが高くもなく低くもない中立の状態を50点とし、40点から60点の範囲を通常のリスク変動の範囲、70点以上リスクオフの領域とします。さらに80点を超える場合は特別なリスクオフの状況ということで極端なリスクオフ領域と称しています。

                  ご参考:「リスク回避指数」の推移
                     ―2018.8.1~2019.8.26―

戦略201908BB

 直近の8月26日の値は70.54でリスクオフに足がかかった状況ですが、一方的に上方に突き抜ける事態には至っていません。これは堅調な業績がリスクの上昇の足を抑えるイカリの役目を果たしていることによります。逆に言うと、今後、業績に陰りが見えた場合は市場リスク上昇の歯止め役がなくなり、相場は底抜け的に急落する可能性があることになります。
 今後とも上述の4つのリスク要因は続くと見られる中、業績の動向を注視すべき状況が続きそうです。
 

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講師:日暮昭
日本経済新聞社でデータベースに基づく証券分析サービスの開発に従事。ポートフォリオ分析システム、各種の日経株価指数、年金評価サービスの開発を担当。2004年~2006年武蔵大学非常勤講師。インテリジェント・インフォメーション・サービス代表。統計を駆使した客観的な投資判断のための分析を得意とする。

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