理論株価で相場評価:「先行きの道筋が読み切れない中、相場は理論株価の位置で様子見を決め込む」  (2017/09/30公開)

============  「理論株価で測る相場の位置づけ」  ==========

           ― 先行きの道筋が読み切れない中、相場は理論株価の位置で様子見を決め込む ー 


 衆議院が9月28日に解散され10月22日の投票に向かって国内はしばらく総選挙の行く末について持ちきりになりそうです。“希望の党”が突如風雲の目となったことで先行き不透明感は一段と高まっています。
 こうした中、足元で株式相場は理論株価にサヤ寄せされ一体の動きとなっています。これは、先行きの道筋が見えにくいことから市場はジッと状況を見守りつつ、半面で株式市場のファンダメンタルズが底堅い実体経済に裏打ちされた好調な業績と安定的に推移する為替相場を背景に堅調さを維持していることで、とりあえず、ファンダメンタルズに沿った水準すなわち、理論株価の位置で様子見を決め込んでいる状況、と言えそうです。
 下図は日経平均と理論株価、理論株価の決定要因でファンダメンタルズを表す日経平均の予想EPSと米ドルレートの推移を5月1日から直近の9月29日まで示したグラフです。

           日経平均、理論株価と予想EPS、米ドルレートの推移
                  ―2017.5.1~2017.9.29-

相場20170929

 予想EPSが依然として過去最高水準を維持する一方、足元で米ドルが強含みで推移していることから理論株価は9月以降、上げ足を強め、直近の9月29日には2万344円を付けています。
  一方で日経平均は同日に2万356円とほぼ理論株価と一致しています。この一体化の傾向は9月半ばから続いていますが、これは、前号でみたように市場リスクが通常範囲に戻った時期と一致します。
 こうした事実から、足元の日経平均の2万円強の水準は、根拠のないたまたまそこにあるというあやふやな位置ではなく、先行き見通しが困難だからこそ、市場がファンダメンタルズを拠り所として到達した、それなりに根拠のある水準と見るべきでしょう。
 ただし、ここでは国内情勢の不透明さに立脚した見方で、外部リスクに大きな変化はないことを前提としています。外部のリスク(北朝鮮)に新たな要因が顕在化すれば相場はこの前提から離れます。その際の相場水準のメドは当講座で取り上げてきた”市場リスク”と併せた分析が必要になります。その際は当講座で解説致します。

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講師プロフィール:日暮  昭

日本経済新聞社においてポートフォリオ分析システム、年金運用評価システム、各種の日経株価指数の開発を担当。2004~2006年武蔵大学非常勤講師。インテリジェント・インフォメーション・サービス代表。

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