理論株価で相場評価:「市場リスクが落ち着き日経平均は本来の水準(理論株価)を回復」  (2017/09/22公開)

============  「理論株価で測る相場の位置づけ」  ==========

         ― 市場リスクが落ち着き日経平均は本来の水準(理論株価)を回復 ー 


 市場リスクが通常の変動範囲に戻り日経平均は理論株価にキャッチアップしました。
 下図は前回の当講座と同様、今年5月1日から直近の9月21日までの市場リスクの推移を示したグラフです。市場リスクは5月半ばから8月まで通常範囲の上側に張り付いた状態でなんとか持ちこたえていたものの、北朝鮮の挑発がグアムを射程にするなど具体性を帯びたことから上側に突き抜け、株式相場はこの市場リスクの高まりを受けて下げ足を強めました。
 その後、北朝鮮では水爆とされる核実験が行われましたが、建国記念日とされる9月9日に新たな挑発行動が無かったことなどで、“危機慣れ”の形で市場リスクは徐々に低下に向かい9月19日に通常の変動範囲に戻りました。
 図の市場リスク(資本コスト)、 標準リスク、および通常範囲の上側と下側の内容については8月25日付けの当講座、「市場リスクを測る資本コストの求め方と利用の実際:特別編」をご参照ください。

     市場リスク(資本コスト)の推移と標準リスク、通常範囲の上側
               ―2017.5.1~2017.9.21―

相場20170921A


 こうした市場リスクの低下を受けて日経平均は水準を切り上げています。
 下図は上の図と同期間について、日経平均、理論株価と理論株価の決定要因である予想EPSと米ドルレートの推移を示したグラフです。
 予想EPSは依然、堅調に史上最高水準で推移しており、米ドルもFRBが資産縮小の具体的スケジュールを発表したことなどから強含みで推移していることで理論株価は9月半ばから上昇しました。一方、日経平均は市場リスクの低下を追い風にこれを上回る速度で上昇、市場リスクが通常範囲に戻った19日に時を同じくして理論株価に追いつきました。

         日経平均、理論株価と予想EPS、米ドルレートの推移
                 ―2017.5.1~2017.9.21-

相場20170921B


 今後の北朝鮮の挑発の動向次第で市場リスクが大きく変動するであろうことに変わりなく予断は許せませんが、理論株価の上昇は株式相場の土台が底上げされていることを示しており、今後、市場リスクが更に“標準リスク”まで落ち着いてゆけば日経平均は通常変動の上側である2万1,000円を目指す可能性もありそうです。

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講師プロフィール:日暮  昭

日本経済新聞社においてポートフォリオ分析システム、年金運用評価システム、各種の日経株価指数の開発を担当。2004~2006年武蔵大学非常勤講師。インテリジェント・インフォメーション・サービス代表。

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