理論株価で相場評価:「市場リスクの上昇一服で相場は本来の水準(理論株価)へ回帰」  (2017/09/15公開)

============  「理論株価で測る相場の位置づけ」  ==========

           ― 市場リスクの上昇一服で相場は本来の水準(理論株価)へ回帰 ー 


 8月に入り北朝鮮の核・ミサイルによる挑発がグアムを射程にするなど一段と進んだことから株式相場は市場リスクの高まりによって下げ足を強めました。しかし、北朝鮮建国記念日とされる9月9日に新たな挑発行動が無かったこと、また国連での制裁措置決定に対して現在のところ具体的な動きがみられないことから市場リスクは一時の高い水準から下げに転じています。
 下図は本年5月1日から直近の9月14日までの市場リスク(資本コスト)の動きと市場がノーマルな水準と認める“標準リスク”、そしてリスクの通常の変動範囲とみなせる上側と下側(*)の位置を示したグラフです。
(*)これら指標の詳しい内容については8月25日付けの当講座、「市場リスクを測る資本コストの求め方と利用の実際:特別編」をご参照ください。

       市場リスク(資本コスト)の推移と標準リスク、通常範囲の上側
                 ―2017.5.1~2017.9.14―

相場20170914A

 市場リスクは5月半ばに通常範囲の上側に達した後、8月までこの位置を維持、その後、上記の理由で通常範囲の上側を超えて上昇し8月24日にはピークの7.32%を付けました。これは昨年6月のBREXITのリスク高騰時以来の高い水準となります。その後、新たな動きが見られないことでリスクは下落傾向となり、直近の9月1日の水準は7.14%と通常範囲の上側に近い水準まで下がっています。
 下図はこうした市場リスクの変動に対応する株式相場の動きを示したグラフです。日経平均と理論株価、そして理論株価の決定要因である株式市場のファンダメンタルズを表す業績(日経平均ベースの予想EPS)と為替(米ドルレート)の推移を上図と同期間について示したグラフです。

           日経平均、理論株価と予想EPS、米ドルレートの推移
                    ―2017.5.1~2017.9.14-

相場20170914BB

 5月半ば以降、予想EPSと米ドルは共に極めて安定した状態で推移しており、したがって理論株価も安定、ほぼ2万円を挟んで上下200円程度の範囲に収まっています。
 今後、ファンダメンタルズに大きな変化がなければ、経験的に市場リスクは2~3カ月程度で通常変動の範囲以内に落ち着くと考えられます。その時には株式相場は本来の水準に収斂することになります。すなわち、日経平均は2万円の水準に向かって進むことになりそうです。

(*)理論株価、通常変動の上側、その他の相場判断のための指標は当サイトの「理論株価で測る相場の位置づけ」の会員限定版で毎日更新、公開しています。会員登録した当月は会費はかかりません。お気軽にお試しください。

講師プロフィール:日暮  昭

日本経済新聞社においてポートフォリオ分析システム、年金運用評価システム、各種の日経株価指数の開発を担当。2004~2006年武蔵大学非常勤講師。インテリジェント・インフォメーション・サービス代表。

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