理論株価で相場評価:「ファンダメンタルズの範囲に収まる株式相場の超安定は自然状態」  (2017/08/03公開)

============  「理論株価で測る相場の位置づけ」  ==========

           ― ファンダメンタルズの範囲に収まる株式相場の超安定は自然状態 ー 


 株式相場は今期の業績予想が折り込まれ当面の業績見通しが固まった6月以降、全くの“なぎ状態”となりました。2か月間にわたって日経平均は2万円を挟んで上下1%、1万9,800円から2万200円の間で推移しています。もとより相場が安定していること自体は悪いことではありませんが、何か不自然さを感じる向きもあるようです。
 この株式相場の安定(膠着)状態を日経平均と理論株価を対比して見ると相場の実勢に基づいた自然な姿であることが浮き上がります。
 下図は、6月1日から直近の8月2日まで日経平均、理論株価と理論株価の決定要因である日経平均ベースの予想EPSと米ドルレートの推移を示したグラフです。

          日経平均、理論株価と予想EPS、米ドルレートの推移
                  ―2017.6.1~2017,8.2―

相場20170802A

 紺色の線が日経平均、青線が理論株価、赤線が日経平均ベースの予想EPS、紫色の線が米ドルレートです。各指標の後の数値は直近の8月2日の値を示します。
 6月以降の日経平均と理論株価の動きより以下の2つのことが読み取れます。

1.日経平均と理論株価は一体で推移(理論株価の再推計により日経平均の説明精度がアップ)。
2.理論株価を規定する予想EPSと米ドルレートが安定的に推移。

 以上の1と2の結果として日経平均は安定的に推移することになります。
 すなわち、日経平均(株式市場)の超安定状態は業績(予想EPS)と為替(米ドルレート)といったファンダメンタルズの超安定に基づくもので自然な状態と言えます。
 巷間、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)と日本銀行の買いによって株式市場の価格評価機能が歪められ、相場は不当に高値に維持されている、といった指摘もあるようです。こうした面はあるとは思いますが、ファンダメンタルズの実態から、こうした見方を過大に評価するのは疑問です。
 現在の日本銀行の株買いの規模は大き過ぎ、先行きの懸念につながりかねないと思いますがこれによって足元の株式相場が不自然に高い水準に維持されている状態ではないと言えます。
*ただし、米国あるいは北朝鮮など外部環境によって市場リスクが急変した場合は株式相場はそれなりの影響を受けることになります。

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講師プロフィール:日暮  昭

日本経済新聞社においてポートフォリオ分析システム、年金運用評価システム、各種の日経株価指数の開発を担当。2004~2006年武蔵大学非常勤講師。インテリジェント・インフォメーション・サービス代表。

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