理論株価で相場評価:「再び理論株価に回帰する日経平均」  (2017/06/19公開)

============  「理論株価で測る相場の位置づけ」  ==========

                  ― 再び理論株価に回帰する日経平均 ー 


 前回の当講座で、米国でのコミー前FRB長官の議会証言によるトランプ大統領のロシア疑惑の進展、英国の総選挙での与党の敗北、そしてフランスの下院第1回選挙におけるマクロン新党の勝利など国際的に大きな政治イベントが続き、それらの結果が市場に与える影響は不透明ということで市場リスクは高止まりするものの、ファンダメンタルズの好調を支えに相場は大きな波乱は無さそうであることを述べました。
 今回は前回の政治問題から経済面です。米国FRBの0.25%の利上げ発表、ユーロ圏財務相会合のギリシャへの85億ユーロの支援合意が続きました。5月以降の1か月半余り、株式相場にとってなかなか気の抜けない時期でしたが、結果的に大きな波乱はありませんでした。
 下図は2016年8月から直近の6月16日までの日経平均、理論株価と通常変動の上側と下側の推移を示したグラフです。

        日経平均、理論株価と通常変動の上側と下側
               ―2016.8.1~2017.6.16

相場評価20170618A

 紺色の線が日経平均、青線が理論株価、赤線が通常変動の上側、緑色の線が下側をそれぞれ示します。各指標の後の値は6月16日の値です。
 図から読み取れる2016年8月以降の相場の節目となる3つの時期を緑色の枠で示しています。
1.2016年11月:理論株価に沿った安定局面から通常変動の上側へシフトアップするきっかけとなったトランプ・ショック。
2.2016年12月:通常変動の上側に到達し、以降、約半年間ファンダメンタルズで想定されるギリギリの高値水準が始まる。
3.2017年5月:上記の高値水準から下離れし再び理論株価に向かう。
 ここで、高値から下離れしたのは前述の政治的、経済的なさまざまな不確実要因による市場リスクの高まりによるものですが、その後、無限定の下落に陥ることなく理論株価の水準で下げ止まったのはこれらの不確定要素についてとにかく結果が出たことでリスクの拡大に歯止めがかかったためと言えます。
 今後、大きな外部環境の変化がなければ、相場はファンダメンタルズで説明される領域、すなわち、日経平均は理論株価と通常変動の上側の間、1万9,800円から2万900円の間で落ち着きそうです。

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講師プロフィール:日暮  昭

日本経済新聞社においてポートフォリオ分析システム、年金運用評価システム、各種の日経株価指数の開発を担当。2004~2006年武蔵大学非常勤講師。インテリジェント・インフォメーション・サービス代表。

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