理論株価で相場評価:「足元の相場下落はファンダメンタルズの悪化によるものーリスクが高まれば一段の低下も」  (2017/04/16公開)

============  「理論株価で測る相場の位置づけ」  ==========

 ― 足元の相場下落はファンダメンタルズの悪化によるものーリスクが高まると一段の低下に ー 


 4月に入って直後の株式相場の不安定な動きの主因は先週の当講座で見たように市場リスクの高まりでしたが、12日から14日までの続落は業績、為替というファンダメンタルズの悪化によるものです。
 12日から14日までに予想EPSは143円台から139円台へ約3円低下、米ドルは111円90銭から109円17銭まで2円近く下げています。これに伴い理論株価は460円余り下げ、日経平均もこれに見合う410円余りの下げとなりました。
 下図は日経平均、理論株価、通常変動の上側と、ファンダメンタルズを表す予想EPSと米ドルレートの推移を2016年11月1日から直近の3月31日まで示すグラフです。

    日経平均、理論株価、通常変動の上側と予想EPS,米ドルレートの推移
                ―2016.11.1~2017.4.14-

PPT20170414A

 このように足元の相場下落はファンダメンタルズの悪化によるもので理由もない混乱状況ではありませんので静観してもよい範囲とも言えます。
 とは言え、やはりこの先の相場の水準そのものが気になるところです。
 そこで、目先、相場に大きな影響を与える要素としては近隣の国が行う危険な挑発行為とそれに対するトランプ米大統領の強硬な姿勢による市場リスクの高まりが考えられます。
 市場リスクは先週の当講座で紹介しました“資本コスト”で捉えることができます。直近の資本コストは6.50でこれは先週見た4月7日時点の6.57とほぼ同水準で足元でリスクに変化はありません。
 ここで、市場リスクが変化した場合の日経平均を試算しますが、これは資本コストの元となる「EBOモデル」という株式の価値を評価する方式で求めることができます。この方式については追って講座を改めてご紹介したいと思います。
 今、このモデルにしたがって以下の、2つのケースに相当する日経平均を試算します。

1.限界的なケース
昨年11月のトランプ・ショック時のリスクまでリスクが高まるケース=>7.27%。
2.その中間ケース
現在の水準からトランプ・ショック時のリスクの中間までリスクが高まるケース=>6.92%。

ここでは結果のみを記します。結果は以下の通りです。
1.限界ケース:日経平均は1万6,400円。
2.中間ケース:日経平均は1万7,200円

 トランプ・ショック時には市場リスクは直後に通常レベルに戻った経緯もあり、限界ケースはあくまで極端なケースとみなせます。中間ケースは一応の警戒範囲とみなすこともできそうです。

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講師プロフィール:日暮  昭

日本経済新聞社においてポートフォリオ分析システム、年金運用評価システム、各種の日経株価指数の開発を担当。2004~2006年武蔵大学非常勤講師。インテリジェント・インフォメーション・サービス代表。

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