理論株価で相場評価:「昨年来の相場変動から見るー3つの局面を主導する為替の動向」  (2017/03/20公開)

============  「理論株価で測る相場の位置づけ」  ==========

           ― 昨年来の相場変動から見るー3つの局面を主導する為替の動向 ー 


 株式相場はここ3カ月ほど膠着状態が続いています。今回はこうした状況を視点を少々長くとることでファンダメンタルズとの兼ね合いで見直してみましょう。
 下図はこれまで当講座で用いてきました日経平均、理論株価と通常変動の上側、および理論株価の決定要因である予想EPSと米ドルレートの動きを、2016年初から直近の2017年3月17日まで示したグラフです。

   日経平均、理論株価、通常変動の上側と予想EPS,米ドルレートの推移
                 ―2016.1.4~2017.3.17-

相場評価20170320

 図がいささか立て込んでおりますがご勘弁ください。紺色の線が日経平均、青色が理論株価、赤色が通常変動の上側、緑色の線が予想EPSで紫色が米ドルレートを示します。
 図から、この1年3カ月間の日経平均の動きを見ると、図中のA,B,Cで示される3つの局面に分けられます。
 2016年前半のA局面は波乱期で、1,2月に中国を初めとする新興国の経済不安を引き金とした急落があり、6月には英国のEU離脱決定による急落がありました。B局面は8月から11月のトランプ・ショックまでの日経平均と理論株価が一体となった期間でファンダメンタルズに沿った安定期です。
 そして、トランプ・ショックからそれ以降の相場上昇とその後の膠着状態に続く期間がC局面となります。図中の茶色の縦線はこれらの期間の区切りを示します。

 図から、Aの波乱局面は米ドルの下落時期と重なっており、これが市場の不安心理を増幅、実勢以上に相場を大きく振らせ、乱高下をもたらしたことが読み取れます。
 Bの安定期は米ドルが8月半ばから11月まで100円から105円の範囲で比較的安定した時期と重なります。そしてトランプ・ショック後の上昇期は米ドルの上昇と歩調を合わせた動きとなっており、膠着状態は為替がやや不安定な動きを見せる一方、業績は今期業績の最終見直しの折り込みで強含みで推移したことで不安定ながら為替と業績の動きの間でバランスをとっているのがC局面と言えます。
 こうした傾向から、当面、業績予想は5月の来期予想が反映されるまでは大きく変動する要素はないので、株式相場は米ドルとの連動性が強い状況が続きそうです。米ドルが110円から115円の範囲で収まるとすると日経平均は通常変動の上側である1万9,500円を中心とした動きが続くと見られます。

 さて、株式相場の決定要素としてこうしたファンダメンタルズの動きと併せてリスクの評価が欠かせない要素となります。これら2つの要素を兼ね合わせた実践的な相場の見方について3月25日のセミナーでご案内する予定です。セミナーの詳細はTOPページの「掲示板―最新情報・お知らせ」をご覧ください。

(*)理論株価、通常変動の上側、その他の相場判断のための指標は当サイトの「理論株価で測る相場の位置づけ」の会員限定版で毎日更新、公開しています。会員登録した当月は会費はかかりません。お気軽にお試しください。

講師プロフィール:日暮  昭

日本経済新聞社においてポートフォリオ分析システム、年金運用評価システム、各種の日経株価指数の開発を担当。2004~2006年武蔵大学非常勤講師。インテリジェント・インフォメーション・サービス代表。

(*)ご注意
投資判断はご自身で行ってくださるようお願いいたします。当講座は投資判断力を強化することを目的とした講座で投資推奨をするものではありません。
当講座を基に行った投資の結果について筆者とインテリジェント・インフォメーション・サービスは責任を負いません。

無断で当講座の転載を禁じます。
(有)インテリジェント・インフォメーション・サービス