理論株価で相場評価:「通常変動の上側の境界で惑う日経平均:突破口は業績の上方修正」  (2017/02/05公開)

============  「理論株価で測る相場の位置づけ」  ==========

           ― 通常変動の上側の境界で惑う日経平均:突破口は業績の上方修正 ー 


 日経平均は11月9日のトランプ・ショックを経て、それまで一体で推移していた理論株価から上離れ12月初めに通常変動の上側にシフトアップしました。そこで上昇エネルギーを使い果たした形で、以降、この境界を抜け出すことはなく1月20日のトランプ大統領の就任まで境界に沿った動きを続けています。
 しかし新大統領就任後から相場は不安定化したように見えます。積極財政に対する期待が高い半面、リスクはさておき成長のみを目指す会社のトップのような大統領令の矢継ぎ早の発令に世界の市場で不安が高まっているようです。特に1月27日の米国への入国制限の大統領令は世界に大きなショックを与えました。日経平均も翌日から下げています。
 結果として1月20日以降、日経平均は通常変動の上側を挟んで大きく上下する状態が続いています。このように先行き不透明感が強い時は相場感の原点に戻りファンダメンタルを重視することがセオリーです。

 下図は当講座でお馴染みとなりました日経平均、理論株価と通常変動の上側を示したグラフに、理論株価の決定要因である業績(日経平均ベースの予想EPS)と為替(米ドルレート)を併せ、昨年10月から直近の2月3日まで示したグラフです。予想EPSと米ドルレートは右側の目盛りになります。

     日経平均、理論株価、通常変動の上側と業績、為替の推移
               ―2016.10.3~2017.2.3-

グラフ20170203

 紺色が日経平均、青線が理論株価、赤線が通常変動の上側を示します。新たに加えた米ドルレートは紫色、予想EPSは緑色の線です。トランプ・ショックの11月9日と大統領就任の1月20日は縦線で示しています。

 新政権発足後、株価はいっとき通常変動の上側の境界を抜け出すかに見えましたが1月27日の入国禁止令を機に下落に転じています。ただ、直近の2月3日の日経平均は1万8,918円、通常変動の上側は1万9,192円で300円近い下方にあり、基本的には相場は安定領域にあると言えます。
 一方、1月末から今3月期決算の業績見通しが相次いで発表されており、全体として上方修正が勝っているようです。その結果、日経平均ベースの予想EPS(緑線)は135円近辺で膠着していた状態から直近の2月3日には140円台に抜け出しました。

 今後、業績の上方修正が続けば株式相場の底上げにつながります。前回の当講座で為替と業績の見通しによるいくつかの日経平均の水準をシナリオ分析で紹介しました。それによると為替が現状の115円程度で予想EPSが150円まで高まれば日経平均は1万9,218円と通常変動の上側を上回ります。その段階で先行きの不透明感が薄れれば一段高の足場が固まり2万円も視野に入ることが考えられます。
 為替が現状の115円程度を維持し、今期業績予想が140円から150円まで7%程度上積みされるかが一つのメドになりそうです。



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当コラムの基である「理論株価で測る相場の位置づけ」は以下のグラフと数表で構成され、日次ベースで更新、会員向けに公開しております。

グラフ1:「日経平均と理論株価の推移」
 出力期間:2015年1月5日~直近日
 日経平均と理論株価の推移を示す最も基本となるグラフです。

グラフ2:「かい離率の推移と変動範囲の上限・下限」
 出力期間:2015年1月5日~直近日)
 日経平均と理論株価のかい離の推移を時系列で示します。相場反転の直接の判断材料となります。

グラフ3:「日経平均と変動範囲の上限・下限」
 出力期間:2015年1月5日~直近日
 上記のかい離率を日経平均と同じ水準に引き直したグラフで相場反転の株価の位置を日経平均との比較で直接捉えることが

出来ます。

グラフ4:「日経平均と変動範囲の上限・下限―-拡大グラフ」
 出力期間:2016年1月6日~直近日
 上のグラフの出力期間を期近まで絞ることでグラフを拡大、より詳細に反転のタイミングを捉えることができます。

数表  :「直近5日間の日経平均と変動の範囲・かい離率」
 出力期間:直近5営業日
 日経平均と通常の変動範囲、および反転のメドとなる変動の限界を直近の5営業日について数値で示します。

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講師プロフィール:日暮  昭

日本経済新聞社においてポートフォリオ分析システム、年金運用評価システム、各種の日経株価指数の開発を担当。2004~2006年武蔵大学非常勤講師。インテリジェント・インフォメーション・サービス代表。

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