理論株価で相場評価:「波乱を超えて高値注意領域に達した日経平均:背景に業績改善見込み」  (2017/01/08公開)

============  「理論株価で測る相場の位置づけ」  ==========

       ― 波乱を超えて高値注意領域に達した日経平均:背景に業績改善見込み ー 

新年明けましておめでとうございます。
本年も当コラム、よろしくご愛顧のほどお願いいたします。



 今回は本年の1回目という事で、昨2016年の日経平均の動きを理論株価との対比で追い、今年の相場の見方のスタート台作りにしたいと思います。
 下図は2016年初から直近の2017年1月6日までの日経平均と理論株価そして日経平均の通常変動の範囲を決める上側と下側を示したグラフです。

          日経平均、理論株価と通常変動の上側と下側
               ―2016.1.4~2017.1.6-

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 紺色が日経平均、青色が理論株価、赤色が日経平均の通常変動の上側と下側を示します。日経平均は2016年初の1万8,500円程度から直近の1万9,500円程度まで、1年間でほぼ1,000円の上昇となりました。一方、理論株価は1万8,800円でスタートし5月初めに1万6,400円まで下げた後横ばいから回復を続け、直近時は昨年初をやや下回る1万8,300円程度となっています。

 このように比較的おとなしい理論株価の動きに対して日経平均は波乱が続きました。特に2月12日の中国経済の減速懸念を主因とした急落、6月24日の英国のEU離脱ショックによる急落では相場反転の注意領域に入る通常変動の下側を下回りました。いずれの場合も直後に反転して通常変動に戻っており、いずれもファンダメンタルの変調ではなく一時的な市場の過剰反応であったことが分かります。
 こうした波乱模様は8月半ばから落ち着き、日経平均は本来の水準と言える理論株価に回帰、以降は理論株価に寄り添うように推移しています。11月の米国大統領選挙におけるトランプ候補の勝利による急落も(ドル急落による)理論株価の急落に沿ったものです。
 その後の上昇局面では日経平均は理論株価を上回る速度で上昇し本年初には通常変動の上側を上回り、高値の注意領域に足を踏み入れてきました。

 この急上昇の背景には堅調に推移しつつ今後の改善が見込まれる業績があります。現状、企業の想定ドル相場が100円から105円程度が中心であり、今後、足元の115円程度の水準が続くとすると10%程度の為替差益につながり今期業績が上振れする可能性が強いです。
 そうなれば理論株価が上昇することで日経平均は通常変動の上側を下回り通常変動の範囲に戻ることになります。
 仮に業績(日経平均ベースの予想EPS)が10%増加すると理論株価は1,000円程度上昇することになります。すなわち、日経平均は1万9,200円ほどになり理論株価とほぼ同水準になります。市場はこの程度の業績アップを既に折り込んで相場形成が成されているとも言えそうです。



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当コラムの基である「理論株価で測る相場の位置づけ」は以下のグラフと数表で構成され、日次ベースで更新、会員向けに公開しております。

グラフ1:「日経平均と理論株価の推移」
 出力期間:2015年1月5日~直近日
 日経平均と理論株価の推移を示す最も基本となるグラフです。

グラフ2:「かい離率の推移と変動範囲の上限・下限」
 出力期間:2015年1月5日~直近日)
 日経平均と理論株価のかい離の推移を時系列で示します。相場反転の直接の判断材料となります。

グラフ3:「日経平均と変動範囲の上限・下限」
 出力期間:2015年1月5日~直近日
 上記のかい離率を日経平均と同じ水準に引き直したグラフで相場反転の株価の位置を日経平均との比較で直接捉えることが

出来ます。

グラフ4:「日経平均と変動範囲の上限・下限―-拡大グラフ」
 出力期間:2016年1月6日~直近日
 上のグラフの出力期間を期近まで絞ることでグラフを拡大、より詳細に反転のタイミングを捉えることができます。

数表  :「直近5日間の日経平均と変動の範囲・かい離率」
 出力期間:直近5営業日
 日経平均と通常の変動範囲、および反転のメドとなる変動の限界を直近の5営業日について数値で示します。

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講師プロフィール:日暮  昭

日本経済新聞社においてポートフォリオ分析システム、年金運用評価システム、各種の日経株価指数の開発を担当。2004~2006年武蔵大学非常勤講師。インテリジェント・インフォメーション・サービス代表。

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